はたはたのうた 室生犀星 はたはたといふさかな、 うすべにいろのはたはた、 はたはたがとれる日は はたはた雲といふ雲があらはれる。 はたはたやいてたべるのは 北国のこどものごちそうなり。 はたはたみれば 母をおもふも 冬のならひなり。 |
【指示1】暗唱をします。教科書を見てもいいです。さんはい。 |
【指示2】月・水・金曜日の列,起立。声を揃えて暗唱します。さんはい。 |
【指示3】火・木・土曜日の列,起立。さんはい。 |
【指示4】全員でもう一度暗唱します。さんはい。 |
【発問1】母は今,どこにいるのですか。 |
【発問2】この9行の詩の中で,話者が思い出しているのは何行目から何行目でしょうか。 (松藤 司氏の実践追試) 【指示5】ノートに書いた人は持ってきます。(板書させる) |
【発問3】候補が3つあるので,2つに絞りましょう。A,B,Cのどれが違うでしょう。 |
【指示6】1行目の『はたはたといふさかな,』というところに指をおきましょう。 【発問4】みなさん,1行目は思い出していることではないということは同じ意見ですよね。と言うこと『はたはたといふさかな』は今,目の前にあるということになりませんか。」 |
(ここの説明はまずかった。次のように発問すればよかった。) 「今,話者の目の前にはたはたはあるのですか。」 〈教師の解〉7行目に「はたはたみれば」とある。今,話者は母をおもっている。「はたはた」を見て母をおもっているのである。 |
【指示7】主題文を書きます。室生犀星がこの詩をとおして読み手に伝えたかったことは何か,自分の考えを書きましょう。 「はたはた」という言葉は使わずに書きます。書き出しは「人間は」か「人間とは」から書き出します。(「人間は」「人間とは」と板書) 書けた人から私の所に持ってきます。 |
『はたはたのうた』主題文(小林) 人間とは,大人になっても母を懐かしく思い出すものである。 普段は忘れてしまっている幼少の頃の記憶がよみがえる時,そこに母があらわれる。 一日中遊び回っていた自分を深い愛情で受け容れてくれた母。 人間は,年を重ねるごとに母から受けた愛情を温かく思い出す。 |