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歴史の中にはご先祖様が生きている


國づくりのバトン


齋藤武夫氏(埼玉県)実践の追試(齋藤武夫『学校でまなびたい歴史』産經新聞社より)

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TOSS SANJO/小林 義典
自分の父母は二人。祖父母は四人。曾祖父母は八人......。
一代遡る毎に先祖の人数は二倍になる。
弥生時代迄遡れば,日本人の多くは同じ先祖に行き着いてしまうという。
いつの時代でも必ず自分の先祖は存在した。

歴史を学ぶという事は自分の祖先の歩みを学ぶ事である。
歴史上の有名人と我々の先祖が一緒になって日本を守り育ててきた。
そうした我が国の歴史を学び,
国づくりのバトンを引き継ぐ気持ちを子供達に抱かせたいものである。


Webワーク(2.17MB)

   ●はクリックのタイミングを示す。

【指示】歴史上の人物で,自分の知っている人をノートに書いてごらんなさい。(列指名)

  「坂本龍馬」
  「織田信長」
  「聖徳太子」

 (●年表提示)

【説明】日本の国が出来ておよそ1600年です。
    歴史上の有名人は,それぞれが日本の歴史の上で大活躍をしました。
    その繋がりの末に,今の日本があります。
    今日から,これらの人物の働きを通して,日本の国の歩みを学びます。

 (担任の系図を黒板に提示)

【説明】私の系図です。

【発問】この系図から分かる事は何ですか。

  「先生のお父さんやお母さんの名前です。」
  「お爺ちゃんやお婆ちゃんの名前も分かります。」

【説明】親子関係の繋がりが分かるのですね。
    私の父は,敬典。母は伸子。
    父方の祖父は金資,祖母はチヨです。母方の祖父は修助,祖母はフクです。

 (系図プリント配付)

【指示】自分の系図を書きます。
    先ず,プリントの一番下の四角に,自分の名前を書いてごらんなさい。

【指示】次に,お父さんやお母さん,お爺ちゃんやお婆ちゃんの名前も書き入れましょう。
    分かる範囲で構いませんよ。

【説明】皆さんには,お爺ちゃんは二人,お婆ちゃんも二人で,合わせて四人居る事が分かりましたね。

【発問】では,お爺ちゃんとお婆ちゃんを生んだご両親は,全部で何人ですか。

  「八人です。」

【発問】そのご両親は全部で何人ですか。

  「十六人です。」

【発問】そのご両親は?

  「三十二人です。」

【発問】系図を一代遡ると,ご先祖様はどのように増えていきますか。

  「二倍二倍と増えていきます。」

【発問】皆さんのご先祖様は,全部で一体何人居るのですか。

  「数え切れない位です。」

【発問】どうして,そうだとはっきり言えるのですか。

  「両親が居なければ子供は生まれないし,先祖は二倍二倍に増えていくからです。

【説明】これから勉強していく歴史の中には,どの時代にも皆さんのご先祖様が必ず居ます。
    何人位いたのか計算してみます。

 (●ご先祖様の人数を試算した資料を提示)

【説明】一世代をおよそ三十年間とします。
    親が三十歳で子供が生まれたと考えてみます。

 (●大東亜戦争の写真を提示)

【説明】すると,皆さんの祖父母四人が生まれたのは,今からおよそ六十年前です。
    日本とアメリカとの戦争が終わった頃です。

 (●明治〜大正時代の写真を提示)

【説明】八人の曾祖父母は,今から九十年前。
    明治時代の終わり頃。
    日本がロシアとの大戦争に勝って,世界の大国になった時代です。

 (●東郷平八郎と小村寿太郎の写真を提示)

【説明】東郷平八郎や小村寿太郎が活躍していました。

 (●江戸末期の絵を提示)

【説明】百八十年前です。ご先祖様が六十四人となります。
    日本の周りにロシアやフランスの船がやって来て,
    平和な江戸時代の日本に不安の蔭が押し寄せてきた時代です。

 (●織田信長,豊臣秀吉,徳川家康の絵を提示)

【説明】一気に飛びます。
    四百二十年前。戦国武将が活躍していた時代です。
    皆さん一人一人のご先祖様が,何と一万六千三百八十四人も生きていた計算になります。

 (●源頼朝の絵を提示)

【説明】源頼朝が鎌倉に幕府を開いた頃。今から八百十年前。
    計算の上では,皆さん一人一人のご先祖様が,
    一億三千四百二十一万七千七百二十八人居た事になります。

【指示】何かおかしいと思った人?(挙手させる)
    何がおかしいと思いましたか。

 (●「日本の人口の推移」提示)

【説明】二千年前,人口は六十万人だったと言われています。
    八百年前,源頼朝の時代は七百万人でした。
    四百年前,江戸時代が始まった頃は千三百万人。
    百五十年前,明治時代が始まった頃は三千五百万人でした。
    日本の人口が一億を超えたのは,およそ三十年前です。

【説明】少ないご先祖様から少しずつ子孫が増えていって,
    とくに最近の百年間で急激に増えて今の日本があるのです。

【説明】弥生時代迄遡れば,日本人の多くは同じご先祖様に行き着いてしまいます。
    ご先祖様が重なっているので実際の人数は計算のようにはいきません。
    しかし,皆さんの沢山のご先祖様の誰かが,必ずどの時代の日本にも居た事は間違い有りません。
    どの時代にも必ず居た二千年間の先祖を全部合わせれば,矢張り数え切れない程沢山居たのです。

 (●世界史年表提示)

【発問】日本と他の国を比べてみます。
    気が付いた事はありませんか。

  「日本だけが,ずっと続いています。」
  「他の国は国の名前が変わったりしているけど,日本だけずっと同じです。」

【説明】歴史を学ぶという事は,私達自身の沢山のご先祖様が歩んできた,その道を,その歩みを学ぶ事です。
    数え切れない位のご先祖様と歴史上の有名人達が一緒になって日本を護り育ててきました。
    それは「国づくりのバトン」です。
    「国づくり」というバトンが受け継がれてきたお蔭で今の日本があり,今私達がこうして生きられます。
    そういう感謝の気持ちで歴史を勉強する事が大切です。
    歴史の勉強が終わった時,命のバトンだけでなく,日本の国の,
    歴史のバトンも受け継ごうという気持ちになれると良いですね。

【指示】今日のお勉強の感想をノートに書いておきなさい。        


〈参考資料〉
■齋藤武夫『学校でまなびたい歴史』産經新聞社
■亀井高孝 他『世界史年表・地図』吉川弘文館

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