TOSSランド社会/6年/昭和/
toTOSS Internet Land


日 本 被 爆


トルーマン大統領は,原子爆弾を投下したかったのか

TOSS SANJO/小林義典
よしのりホーム
更新: 07/14/2009 04:37:26

“原爆の投下によって,戦争が終わり,何百万もの命が救われた”
と,トルーマン大統領は述べている。
原爆投下肯定論は今でもアメリカ世論の大勢を占める。

原爆投下に至るタイムテーブルを眺めてみる。

原爆投下は避けられなかったのか。
日本人なら,一度は考えたことがあると思う。

人類史上未曾有の殺戮兵器が,我が国本土において使用された
その経緯を子供達に知らせておきたい。


                                      

【説明】(映像)原子爆弾です。昭和20年8月,日本に落とされました。

【発問】日本に原爆を落としたのは,どこの国ですか。(アメリカ)

【説明】(画像)当時のアメリカの大統領は,原爆を落とした理由を,次のように述べています。

「原爆を使用したことで,早く戦争が終わり,何百万もの命が救われた」

【発問】原子爆弾使用の最終決定権は大統領にありました。アメリカの大統領は,
原爆の使用をどのように考えていたでしょうか。

【指示】3択です。A:使いたくなかった B:できれば使いたくなかった C:使いたかった

【説明】今日は,このことを考えます。

【説明】原子爆弾の開発費用は20億ドル。
当時の日本政府が一年間につかう金額をはるかに上回っていました。

【発問】アメリカが原爆を落としたのは,広島とどこですか。(長崎)

【説明】(地図)アメリカが原爆を落とす予定だった都市です。
「新潟」「広島」「小倉」「長崎」

【説明】(地図)戦争が始まった年,昭和16年の日本の勢力範囲です。
 (地図)昭和18年。

【指示】終戦の年の昭和20年。日本の勢力範囲がもっと広くなっていると思う人?

【説明】(地図)昭和20年です。(画像)この年の2月,アメリカとソ連が秘密の約束を交わしました。
(画像)日本の同盟国ドイツが降伏したら,ソ連が日本に宣戦布告をするという約束です。
(画像)ドイツは5月に降伏。
ソ連が日本へ宣戦布告するのは8月15日と決まりました。

【発問】話をアメリカに戻します。
ドイツが降伏した時点で,アメリカの原子爆弾は完成していたでしょうか。(未完成)

【説明】(画像)アメリカは,その頃,日本を空襲していました。(表)「空襲計画」です。
180の都市を焼く計画でした。

【発問】(表)実際に焼いた都市です。広島と長崎を,空襲しましたか。(空襲していない)

【説明】(画像)7月16日,アメリカは原子爆弾を完成させます。実験も成功。
(画像)26日,アメリカは日本に「終戦の条件」を示します。

【指示】当初,示す予定だった「終戦の条件(抜粋)」です。読んでごらんなさい。(列指名)

1 終戦の機会を日本に与えます
2 天皇を認めます
3 日本をしばらく占領します
4 日本軍を解散させなさい
5 武器を作ってはいけません
6 日本軍の戦闘をすべてやめさせなさい

【説明】アメリカの大統領は,「終戦の条件」として,これを日本に送るにあたり,
一項目だけ削除しました。

【発問】削除した項目は何番でしょうか。ノートに書いてごらんなさい。(2番)

〈参考までに〉
「天皇を認める」という条件を,終戦の条件に入れるべきだと,
当時アメリカの大統領に意見を述べた人々。
確認出来るものだけで12回以上ある。

5月28日 グルー国務長官代理
5月30日 ハーバート・フーバー元大統領
6月13日 グルー国務長官代理
6月17日 サミュエル・ローゼンマン大統領法律顧問
6月18日 グルー国務長官代理
6月18日 マックロイ陸軍次官補
6月18日 レーヒー提督
6月30日 国務省(公式勧告)
7月 1日 ラルフ・バード海軍次官
7月 2日 スティムソン陸軍長官
7月16日 スティムソン陸軍長官
7月18日 チャーチル首相
7月18日 統合参謀本部
7月24日 スティムソン陸軍長官

【発問】日本は,この条件を受け容れましたか。(受け容れなかった)

【説明】(画像)10日後,アメリカは広島に原爆を落とします。
(画像)2日後には,ソ連が予定を早めて日本を攻撃。
(画像)翌日,アメリカは長崎にも原爆を落とします。
(画像)そして,終戦。

【発問】原子爆弾を,1発ではなく,2発落としたのは,何故だったのでしょうか。(列指名)

【説明】(画像)これは,当時,原爆を落とすことに反対したアメリカ人。

 ニールス・ボーア(理論物理学者)
 アーサー・コンプトン(シカゴ冶金研究所)
 レオ・シラード(物理学者)
 ジェイムス・フランク(科学者)
 グレン・シーボーグ(科学者)
 レオ・シラード(科学者)
 ドナルド・ヒューズ(科学者)
 J・C・スターンス(科学者)
 エウゲニー・ラビノウィッチ(科学者)
 J・J・ニクソン(科学者)
 ドワイト・デーヴィッド・アイゼンハワー(連合軍最高司令官)
 チェスター・ニミッツ提督(アメリカ太平洋艦隊司令長官)

【説明】戦場で指揮を執る最高司令官,そして原子爆弾の開発者です。

【発問】もう一度聞きます。アメリカの大統領は,原爆の使用をどのように考えていたでしょうか。

【指示】A:使いたくなかった B:できれば使いたくなかった C:使いたかった

【指示】「日本」「アメリカ」「原子爆弾」この3つの言葉を遣って,
今日のお勉強をノートにまとめておきなさい。


〈参考資料〉
■鳥居 民『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』草思社
■長岡戦災資料館『太平洋戦争と長岡空襲』
■鳥居 民『原爆投下と終戦の3つの誤解』(産経新聞 H19.08.12「正論」)
■岡崎渓子『広島・長崎への原爆投下の真実』(メールマガジン)
■その他各種ウェブサイト

このページの最初にもどる

toTOSS Internet Land