【指示】 (本間雅晴氏の遺書提示) 読んで下さい。(列指名)
【指示】 分かったこと，気付いたこと，思ったことを書きなさい。(列指名)
【指示】 法務死…読んで下さい。(一人指名)
法務死…
戦争犯罪裁判で，死刑，または監獄に入っている間に死亡すること
【指示】 罪状です。読んで下さい。(一人指名)
部下の活動を統率する義務を違法に無視し，その義務を怠った
【説明】 つまり，本間さんは戦争で「部下を適切に指導しなかった」罪で死刑になりました。
戦争犯罪人と呼ばれています。
【発問】 本間雅晴さんは，悪い人なのでしょうか。三択です。
①とても悪い人 ②どちらかといえば悪い人 ③悪い人とはいえない
【説明】 今日はこのことを考えます。
【説明】 (地図)フィリピン。多くの島がありますね。ここバターン半島で戦争がありました。
(マッカーサーの写真)アメリカ軍の司令官です。
本間雅晴さんは昭和17年4月3日午前零時53分に総攻撃の司令を出しました。
(写真)日本は勝利。アメリカの司令官はフィリピンを脱出します。当時の新聞。
(地図)日本軍は捕虜を収容所に運びました。ルートです。
この部分60km，捕虜を歩かせました。ここが問題とされました。
【発問】 アメリカのポスターです。何が描かれていますか。
(日本兵の捕虜虐待)
【説明】 「死の行進」と呼ばれ一万人死んだとされています。
【指示】 アメリカの言い分です。読んで下さい。
マラリヤと厳しく減らされた食料とで，すでに弱っていた1200人のアメリカ兵及び
10000人のフィリピンの兵士は虐待と殺人で命を落とした。
…ほとんど休憩もなしに行進させられた。
食料や水を与えられず，彼らは疲労で倒れ，その場で銃撃されたり，
銃剣で突かれたり，首を刎ねられたりした。 (WS バイリンガル・ウェブサイト)
【説明】 (写真)連合軍が降伏した時の写真。白旗が見えますね。
【指示】 (写真)歩いている時の写真。感想を言って下さい。
【発問】 何日間歩いたのでしょうか。
(3日間)
【発問】 捕虜は何人でしょうか。
【説明】 7万人以上でした。日本軍の倍以上。
まだ戦いは続いていたので，監視は日本兵1人に捕虜100人の割合でした。
【発問】 あなたが捕虜だったら，日本兵におとなしく従いますか。
(逃げます)
【発問】 (写真)移動途中の写真です。何をしていますか。
(海水浴)
【発問】 (写真)これも移動中。何をしていますか。
(捕虜に紅茶をふるまっている)
【発問】 (写真)捕虜が並んでいます。何を待っているのでしょうか。
(診療)
【発問】 収容所に着きました。何をしていますか。
(ポーカー)
【説明】 (写真)本間さんが裁かれた裁判所です。
【発問】 (写真)この裁判の最高責任者は，どこの国の人でしょうか。(三択)
①アメリカ ②フィリピン ③その他
(アメリカ)
【発問】 死刑判決を受けた日(2月11日)。日本では何の日ですか。
(建国記念の日)
【発問】 処刑されたのは，終戦の翌年，4月3日午前零時53分。
この日時に見覚えはありませんか。
(バターン半島総攻撃を司令した日時)
【発問】 本間雅晴さんは，悪い人なのでしょうか。
①とても悪い人 ②どちらかといえば悪い人 ③悪い人とはいえない
【説明】 戦後，B級C級戦犯の裁判が各地で行われました。被告は5千人以上。
【発問】 死刑になったり亡くなったりしたのは，何人くらいだと思いますか。(一人指名)
(1068人)
【発問】 B級C級戦犯として裁かれたのは何人くらいだと思いますか。
(5416人)
【説明】 日本が独立を回復してから，戦犯釈放の運動が起こりました。
【発問】 署名はどのくらい集まったと思いますか。当時の日本の人口はおよそ8500万人です。
【説明】 4千万人以上の署名が集まりました。
【説明】 外地の刑務所の最後の一人が釈放されたのは，昭和33年でした。
【指示】 (遺書)死刑になる十日程前に本間さんが書いた遺書です。読んで下さい。
いま別れの時に際して御身のいい所が特に目について欠点と思はれるものはすつかり忘れてしまつた。
（中略） 二十年の歳月，短いやうで長い，仲よく暮らした事を思ふて満足してゐる。
あの世とやらがあるならそこで又々夫婦とならう。先に行つて待つてゐるが急いで来てはならぬ。
子供達の為になるべく長く，この世に寿命を保つて私の出来得なかつた事，
即ち孫や曾孫を抱いたり撫でたりして，あの世で逢ふ時には沢山その土産ばなしを聞かせてくれ。
どうも長い間世話になつて有難う。…
【指示】 今日のお勉強の感想をノートに書いておきなさい。
〈参考資料〉
■牛村圭『再考「世紀の遺書」と東京裁判~対日戦犯裁判の精神史~』PHP
■福冨健一『南十字星に抱かれて~凛として死んだBC級戦犯の「遺書」~』講談社
■西尾幹二『GHQ焚書図書開封~米占領下に消された戦前の日本~』徳間書店1～6
■江藤淳・小堀桂一郞『新版靖國論集』近代出版社
■『歴史通』平成23年9月号・平成24年1月号
■その他webサイト
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