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満 洲 国

よしのり Home
TOSS SANJO/小林 義典
植民地をもつ国が文明国と呼ばれ,
祖先の伝統を守って慎ましく暮らしている人々が野蛮民族と呼ばれた時代。
大東亜戦争前の世界はそのような時代であった。
強大な軍事力を背景に,植民地を広げ続ける欧米列強。
産業を興し,軍事力を持たねば国の独立を保てぬと,
アジアでただ独り立ち上がったのが日本である。

日本人はアジアの混乱を憂えた。

浸食してくる欧米列強に対抗すべく
日本はアジア諸国の独立勢力に肩入れを始める。
満洲国はこうした背景の中で建国された。
「王道楽土」「五族協和」
崇高な理想を掲げ,建国が着々と進められた満洲国。
しかし,その寿命は13年。

満洲国建国に懸けた当時の日本人。
その気概を子供達に伝えたいと願い,授業を組み立てた。


この授業は,模擬授業(7分間)用に作成したものです。
満洲国建国の経緯について詳細に授業されたい方は,下記サイトをご覧ください。
授業用webワークも準備してございます。

 ●
「満洲国(建国と崩壊)

WEBワーク(授業資料:2.0MB)

(●写真「日露戦争前の満洲」提示)    (*●はクリックのタイミング)  

【説明】100年ほど前の世界です。
    ヨーロッパの国々が広く支配していたのですね。

【発問】この支配がこのまま広がったとすると,日本はどうなりましたか。

  「支配されてしまいました。」

【説明】1932年,ここに満洲国がつくられます。

【指示】「満洲国」教科書で見つけてごらんなさい。

【説明】満洲国の国旗です。
    黄色は満洲人を表しています。
    赤は日本民族,青は朝鮮,白は漢(中国ですね),黒は蒙古です。
    それぞれが力を合わせ,平和で豊かな国づくりを目指しました。

【説明】今日は,満洲国について勉強します。

【発問】100年ほど前の,満洲国がつくられる前の満洲です。
    どのような状態だったでしょうか。

【説明】軍閥という,個人で軍隊をもつ満洲人があちこちにいて,
    互いに争い合っている状態でした。

【説明】ロシアの支配が広がり始めた当時の東アジア。
    日本は,ロシアと戦ったのですね。日露戦争です。

【説明】日露戦争後。条約により,日本は満洲の鉄道の経営を始めます。
    鉄道を守るため,条約どおり鉄道警備隊軍隊をおきました。

【発問】この結果,満洲の人口は増えたでしょうか。減ったでしょうか。

【指示】増えたと思う人。減ったと思う人。(挙手させる)

【説明】急激に増え始めます。

【発問】人口が増えたのは,何故だと思いますか。

【説明】日本人が入ることで,徐々に安全な地域に変わってきたのですね。
    そして,安全な生活を求める人々が,満洲に集まったのです。

【説明】1931年,満洲事変。日本軍は満洲の軍閥と戦います。

【発問】その後,軍閥に悩まされていた満洲のリーダー達が,ある行動を起こします。
    どんな行動をとったでしょうか。

【指示】近くの人と話し合ってごらんなさい。(列指名)

  「戦場から遠くへ逃げた?」
  「日本軍を歓迎したと思います。」
  「安心して暮らせる国をつくろうとしたと思います。」

【説明】平和な自分達の国をつくろうとしたのですね。

【説明】しかし,近代的な国づくりの経験がなかったので,
    国づくりの手伝いを,日本に求めました。

【説明】このようにして,1932年,満洲国が誕生します。

【説明】日本は満洲にダムをつくりました。

【発問】ダムをつくると,どんな良い事がありますか。(列指名)

  「水害が減ります。」
  「発電出来ます。」

【発問】他には,どんな仕事をしたでしょうか。

【指示】予想でいいです。ノートに書いてごらんなさい。(列指名)

  「色々な工場をつくったと思います。」
  「銀行をつくったと思います。」

【説明】紹介します。

【説明】「あじあ号」を開発しました。最高時速120km。冷暖房完備です。 

【説明】都市を建設しました。

【説明】水洗便所も整備。

【説明】アジア最大の放送局。 

【説明】電話会社。
    (電話加入者は昭和15年に10万人以上。
     そのうち日本人が6割弱,満洲人が4割弱。)

【説明】大学。

【説明】その他,銀行や学校をつくり,近代工業を盛んにし,畑を整え,
    病院や道路,空港・港をつくりました。 

【指示】満洲の人口が増えたと思う人?

【説明】1938年(昭和13年)には四千万人近くに増えています。

【説明】ダムを見学に来たフィリピンの外務大臣は驚き,次のように言いました。

【指示】読んで下さい。

「フィリピンはスペイン植民地として350年,アメリカの支配下で40年が過ぎている。
だが,住民の生活に役立つものは一つも作っていない。
満洲は建国わずか10年にしてこのような建設をしたのか。」
          (松井仁夫『語り部の満州』)

【説明】夜遅くまで役所で残業する日本人職員を見て,
    満洲国総理は次のように言って,溜息を漏らしたそうです。

【指示】読んで下さい。

「安月給でこんなに働いてくれる役人が日本の他に何処の国に居るだろう。」

【指示】さあ,地図帳で,満洲を見つけてごらんなさい。

  「ありません」

【説明】満洲国は,1945年(昭和20年)になくなりました。
    13年しか続きませんでした。

【発問】満洲国はどのようにして崩れたのでしょうか。

(写真「ソ連軍の侵攻」提示)

【説明】1945年(昭和20年)8月9日,広島原爆の三日後。
    ロシア(当時はソ連)軍の攻撃を受け,満洲国は崩れました。

【指示】今日のお勉強の感想をノートに書いておきなさい。

★子供の感想 H17.11.11


〈参考資料〉
◆服部剛『満洲事変1』(自由主義史観研究会『歴史と教育』誌 第82号所収)
◆服部剛『満洲事変2』(自由主義史観研究会『歴史と教育』誌 第84号所収)
◆服部剛『満洲建国1』(自由主義史観研究会『歴史と教育』誌 第85号所収)
◆向山洋一教育実践原理原則研究会長崎支部『TOSS長崎向山塾』第30号
◆名越二荒之助『世界に開かれた昭和の戦争記念館 第1巻』展転社
◆日本を守る国民会議『欧米植民地支配の世界史的展開と大東亜戦争』
◆岡崎久彦『小村寿太郎とその時代』PHP
◆岡崎久彦『幣原喜重郎とその時代』PHP
◆黄文雄『日本の植民地の真実』扶桑社
◆前野徹『新 歴史の真実』経済界
◆前野徹『凛の国』青春出版社
◆東京裁判研究会『パル判決書』講談社学術文庫
◆『高等学校最新日本史教授資料』国書刊行会
◆清水馨八郎『侵略の世界史』祥伝社
◆太平洋戦争研究会『満州国の最期』新人物往来社
◆太平洋戦争研究会『図説 満州帝国』河出書房新社

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