教育実践「敬天愛人」/学級経営/学級開きの3日間

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学級開きの3日間

                     小林 義典 【TOSS SANJO】

どんな学級の子供でも、最初の3日間は騒がずに先生の言うことを聞くといいます。
「どんな先生か」を子供が査定する期間です。
この3日間で、これから1年間通用する約束事やルールをはっきりと決めなければなりません。
これを怠ると学級は崩壊します。


☆一日目

  ○時○分 新任式
  ○時○分 始業式・担任発表
  ○時○分 2限 @ 次のことを語り、伝える。
           @ 人間の3つの生き甲斐
           A 人間らしさ
           B どんな時に叱るか
           C 約 束
           D 常備品(小物袋・自由帳・筆箱・連絡帳・お便りケース)
           A 出席をとる
           B  ロッカー・下駄箱を知らせる。(前日までに名前シールを貼っておく。)

  ○時○分 3限 @ クラス目標を決める
          A 日直・当番(給食・清掃も含む)を決める(責任者も決定)
            ・・・・・目標をやりぬいていくための仕組みである
          B 『当たり前のこと』10か条を示し、後日学級で話し合うことを告げる
          C 教科書・自由帳を配る
          D 学級通信を配る(保護者向けに自己紹介・学級経営方針)
          E 明日の準備・持ち物を告げる
            ・1年間の抱負発表(一人30秒程度)準備 ・国語 ・算数
            ・連絡帳 ・筆箱 ・お便りケース ・自由帳

  ○時○分 下 校

【人間の三つの生き甲斐】 『教え方のプロ・向山洋一全集C巻』87〜88頁
 @自分がもっている才能を伸ばす喜び
 A人のためになることをする喜び
 B自分が描いた夢を実現していく喜び
【人間らしさ】 『教え方のプロ・向山洋一全集C巻』89頁
 @人間は間違うことが出来る
 A弱いもの、力のない者をいたわることが出来る
【今後の約束】 『教え方のプロ・向山洋一全集C巻』89〜90頁
 @先生はひいきをしない。していたら言ってください。
 A授業時間は延ばさない。先生が教室に入るまでには教室にいる。
【常備品】 『教え方のプロ・向山洋一全集C巻』77頁
      小物袋(コンパス・三角定規・分度器・油性ペン・カットバン・ティッシュ・ミニタオル・のり等を入れ、机の脇に吊す。)
      自由帳(ノートを忘れた時に使う。帰宅後正規のノートに書き写し、翌日担任に提出する。)
      お便りケース(お便りやプリント類を入れる。帰宅後、中身を保護者に渡すよう指導する。)
      筆箱の中身(鉛筆3〜5本・赤鉛筆・消しゴム・ミニ定規15〜18cm位の物)
         消しゴムはよく消える物を ミニ定規は絵などがかいてないシンプルな物を
      ノートはTOSSノートを使用。
      理科と社会科は小単元毎に見開き2頁のノートを使う。(見開き2ページで一つの作品)
【学級を組織する順序】 『教え方のプロ・向山洋一全集C巻』57〜58頁
      クラス目標の設定
          ↓
      日直・当番・係り活動 ・・・ クラス目標をやりぬいていくための仕組み
        ○責任の所在を明らかにする
        ○活動の時間を保障する
          ↓
      生活する上でのルールの設定(必要に応じて・新しく出たらその都度追加・全員の原則)
『当たり前のこと』10か条 (富山市立水橋西部小学校)
 @明るい挨拶
 A何かしてもらったら「ありがとう」を言う
 B使った物は必ず元の所に戻す
  ちらかしたら、自分で後片付けをする
 C人の物に手を出さない
 D人をぶたない
 E人の迷惑になることをしない
 F悪いことをしたら「ごめんなさい」と言う
 Gルールを守り、ずるをしない
  授業中は勝手にしゃべったり席を立ったりしない
 H食事の前には手を洗い、ご飯は良くかんで食べる
 Iよく遊び、よく学び、よく眠る

☆二日目

  【学級通信配付】 学級開きの子供たちの様子を伝える。

  ○時○分 1限 @ 1年間の抱負発表(一人30秒)
          A クラス目標の設定

  ○時○分 入学式(椅子を持って移動)

  ○時○分 3限「国語」 教科書冒頭の「詩」の授業をする。
              知的で分かりやすく、どの子も活動し、途中ノートチェックも入れる授業をする。
              *授業プランはTOSSランドで検索し教材研究

  ○時○分 下校


☆三日目 通常授業

      *知的でリズムとテンポのある授業をするよう努める。
       向山型算数に学び、ノート指導を徹底させる。      

  【ルール】 @けんかのルール @ 首から上と内臓、身体の軸に対する攻撃は厳禁
                 A 蹴り・凶器の使用・爪を使った攻撃は厳禁

        A給食 おかわりのルール @ 12時45分 おかわり開始
                     A 盛りつけは「おかわり当番」が行う。
                     B おかわりをしたい人は、おかわりしたい給食の所に整列する。
                     C 「おかわり当番」は整列している人に均等に盛りつける。
                     D デザートなど分配できないものは希望者が集まってジャンケンで決める。
                     E おかわりできる物は一人一品とする。

        Bマイチョーク: 黒板に自分の考えを書くときは、自分のチョークを使う。

  【出席とり】『教え方のプロ・向山洋一全集C巻』126〜127頁
        @「はい」の後、一言つけ加える。どんなことを言うかは前日に予告する。
         (身体の調子・朝起きた時刻・朝ご飯・さんずいの漢字・「あ」のつく言葉・「春」から連想する言葉 など)
          朝一番から頭を使う習慣がつく。

  【どんなときに叱るか】 『教え方のプロ・向山洋一全集C巻』154〜155頁
        @命にかかわる危険なことをしたとき
        A他人の不幸の上に自分の幸せを築こうとしたとき
        B三度注意されても反省と改善の様子が認められないとき


☆4日目以降に学級でやること(お薦め)

〈五色百人一首〉
隙間時間に実施。4分あれば出来る。
〈詩文の暗唱〉
 暗唱集を作り子供に渡す。昼休み、放課後に検定を受ける。 
つかえたら失格。1人1日1回受検可。隙間時間を有効に使える。
◆白帯暗唱集
 @道程(高村光太郎) A雨ニモマケズ(宮沢賢治)
 Bある日(関 洋子) C川(谷川俊太郎)
 D地下水(川崎 洋) E竹(萩原朔太郎)
 F山からのおくりもの(高村光太郎) G元旦に(井上 靖)
 H奈々子に(吉野 弘) I落葉松(北原白秋)
◆黒帯暗唱集
 @山のあなた(カール=ブッセ) A初恋(島崎藤村)
 B冬(高村光太郎) C小景異情(室生犀星)
 D千曲川旅情の歌一(島崎藤村) E千曲川旅情の歌二(藤村)
 F平家物語:冒頭 Gあどけない話(高村光太郎)
 Hおくのほそ道:冒頭(松尾芭蕉) I方丈記:冒頭(鴨長明)
〈全員発言をめざして〉
○指名なし音読
国語の音読で一文交代読みをする。教師は指名しない。
音読する人は起立する。次に読む人も起立する。その他の人は座っている。
次に読む人が何人も起立することがある。
その時は無言で譲り合う。音読回数が少ない人優先。
    ・・・自分から立って声を出す練習になる。

○話し合いノート
学級会や討論などの話し合い時は自分の考えをノートに書きながら話し合いに参加する。
チャイムがなる5分前に「まとめ」を書く時間を設ける。
発言した人は「まとめ」作文は5行以上。
惜しくも発言できなかった人は「まとめ」作文15行以上。
「ノート発言」としておおいに讃嘆し認める。
・・・話し合い終了5分前には「発言」が殺到する。
〈日本人の気概の授業〉
日本の歴史を肯定的に観る。
日本人の功績を讃える。
「こんな日本人もいた」ということに気づく。
そんな授業をする。
・・・元気が出て勇気が湧く。