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 給食で「三角食べ」ができません



小学1年生の息子は、おかず、ご飯、汁物を均等に食べる、

いわゆる「三角食べ」ができません。




おかずから全てを食べ尽くし、次にご飯を食べ、そして味噌汁を飲みます。

食事に時間もかかるため、クラスメートは掃除を始めてしまいます。

周りと一緒に給食を楽しむには、どうすればいいのでしょうか。




「三角食べ」の対義語は「ばっかり食べ」でしょうか。

私には苦い失敗があります。

教職に就いたばかりの頃、目の前で給食を食べている子に

「あっ、ばっかり食べだ?!」

と軽口をたたいてしまったのです。

その子はぽろぽろ涙をこぼしました。

当時5年生のお子さんでした。

30年ほど前のことですが忘れられません。




同じものを同じ量食べさせるという学校給食は、

世界でも稀だといいます。



「食」は極めて個人的なものですから、

マナー違反でない限りとやかく口を出すものではないと考えています。

教師が完食を強要し掃除が始まっても食べさせ続けるのは、

やり過ぎです。




「食が細く急いで食べると体調を崩します。

 恐れ入りますが、給食の量を若干少なめにしていただけないでしょうか。

 時間内に食べられない場合、給食を残すことを許していただけないでしょうか。

 家でも早く食べさせるようにしていきます」

と連絡帳に記すことをお勧めします。




給食を時間内に食べ終えるかどうか不安で

学校へ行きたくないというお子さんに何人も出会いました。

早急な個別対応が不可欠です。




食べ終わりの遅れる原因が、食事中のお喋りや咀嚼スピードにあるならば、

ご家庭で楽しく矯正出来ます。




「いただきます」後3分間はもぐもぐタイム(にこにこ笑顔で無言咀嚼)にしたり、

最初のご飯一口を親子で同時に30回咀嚼してどちらが早いかを競ったり…。



食事始めの数分に笑顔で楽しみながら取り組むことで、

少しずつ咀嚼が意識化されるようになります。




三角食べが出来ない理由は想像しかねますが、

きっと美味しい美味しいと喜んでおかずを食べ尽くしてしまい、

次にご飯が美味しくて全部食べ尽くすということではないでしょうか。

一年生男子なら、ありがちです。




ご家庭で食事をじっくり味わわせるしかないように思います。

「おかずを口に含んでごらんなさい。噛んでいるとおかずの旨味が口の中に広がるでしょう。

 次にご飯を口に含んでごらんなさい。

 ほら、おかずの旨味とご飯の旨味が合わさって、

 また別の味わいがあるでしょう?

 食事って楽しいわね。魔法のようでしょう?

 次にお汁を口に含んでごらんなさい。

 噛んで味わったものが温かくスーッとお腹へ下りていくでしょう?

 これがあなたの身体を形作る材料になるのよ。

 有難いわね。強く大きく育ちなさい」

などと、三角食べの趣旨説明をしながら身に付けさせるしかないと思います。




我が校は食堂で全校一斉に給食をとります。

1年生の様子を観ていると可愛らしくて仕方ありません。




早々に食べておかわりする子、穏やかな笑顔でゆっくり食べる子、

隣にちょっかいを出して食べ終わるのが遅い子…。

十人十色です。




しかし、学年が上がるにつれ、食べる量が増え、

食べ終わるのが早くなり、好き嫌いが激減します。




3か月、半年、1年で驚くほど大きく変わります。

お子さんはまだ一年生です。

心配無用。



美味しい美味しいといただくのが一番です。