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 子供のやる気を引き出すには?





やる気を引き出すのに必要なのは,大きく分けて三つあると考えています。

一 賞めて育てること

子供の事実を賞めます。

おだてる必要はありません。

「宿題を忘れずに持って帰って来たね」

「教科書開いているね」

「お,やってるやってる」

と事実を口に出すだけで,子供は驚くほど集中力を高めます。





これは教室での経験則ですが,皆様も思い当たるのではないでしょうか。

宿題を全くやらない子でも,賞めることは可能です。

雑に書きなぐったノートでも一番丁寧な一文字に赤鉛筆で丸を付けて賞めるのです。

一つ賞めると不思議なもので次に賞めることが見付かります。

大人からにこやかに賞められた子供は,やる気を見せ始めます。





二 目的を意識させること

目的がはっきりすると,人間は積極的になります。

たとえば「高齢者が寝たきりにならず思い通りに活動出来る社会にする」という人生の目的をもったら,

衰えた筋肉の働きをサポートするロボット開発に興味をもつかもしれません。

開発にはロボット工学などを学ぶ必要があり,進学先を選択し志望校に合格しなければなりません。

受験対策が必要になります。

何をやればよいかが見えてきますので,やる気が出ます。




「何のためにやるのか」をお子さんに問い,目的を果たすまでのプロセスを語り合い,

人生設計図を具体的に紙に記させ「きっと実現するよ」と断言します。

「教えるとは,希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」という言葉があります。

お子さんの無限力を引き出すには,ともに希望を語る時間が必要です。





三 子供の實相を観ること

子供のやる気を引き出すのに最も重要なのは,大人が「子供の實相を観ること」です。

実際,勉強のできない成績の悪い子を,「勉強のできる,成績の良い子だ」と信頼して思えといっても,そんなことは思えませんといわれる人がたくさんあります。それは思えないのがあたりまえなのです。それは五官の眼でその子の現象を見ているからです。しかし,五官は「信念の反影」を見るにすぎませんから,「できの悪い子だ」と信じている限りは,五官の眼で見ているかぎりはできが悪いのは当然です。そんな時には五官の目を閉じて合掌し,そうして心を鎮めて相手の實相を観るようにすればよいのです。(谷口雅春先生著『生命の實相』日本教文社 頭注版 第二十六巻 教育実践編 下 二十五ページ) 

子供を観る側の心が変わると,子供の言動が一変します。

恥ずかしながら,これは私が職場で日々何度も痛感することです。

反抗したり面倒をかけたりする子供を前にすると腹が立ちますが,

こちらが「ああ,そのままで有難い」と心の中で念じると子供は今まで見せたことのない謙虚さを見せます。



これは本当に子供の言動がくらりと変わり即効性がありますから,ぜひ皆様もお試しいただけたらと思うのです。

こちらの念が変われば相手も変わる。「三界は唯心の所現」です。




「そのままで有難い」といっても,何が有難いんだ?とお感じになるかもしれません。

しかし「そのままで有難い」とただ念じて現象を観ると,不思議なことに何が有難いかが具体的に浮き彫りになり心に迫ってきます。

これは本当に不思議なのですが「そのままで有難い」と念じた瞬間に,有難いことがぽろぽろと意識され始めるのです。

あれども見えず状態だったものが観えてきて,あれも有難い,これも有難いと心に強く印象されるのです。




そのような心で子供を賞めたりお勉強の目的について話し合ったりすると,

子供は前向きになり安心して新しいことに挑戦するようになると思うのです。