進級前はどのように過ごせばよいか?
進級は大きな節目。
「改善」のビッグチャンスである。
この時季はクラス替えや新しい担任の先生など,環境ががらりと変わる。
環境の変化は,子供が本来もっている「よくなりたい」という欲求を表出させる。
「自分も変われるかも」という希望が湧く。
過去を断ち切り,より良い習慣を身に付ける絶好の機会である。
机に向かう時間を増やす
四月一日から,家庭学習の時間を増やす。
時間の目安は,学年×十分とよく言われる。
三年生なら,三十分である。
プラス十分の四十分でも良いと私は思う。
四月一日を迎える前に,家庭で話し合っておく。
家庭学習の時間は,家族間の取り決めする。
進級の時季だからこそ,子供は取り決めを受け容れる。
この時季を逃してはならない。
机は学習机でなく,食卓でもちろん構わない。
机に向かう習慣の有無が,学ぶ力の大きな差となる。
一度取り決めをしたら,例外は認めない。
家族旅行の旅先でも,机に向かわせる。
「三年生は三十分机に向かうもの」
「机に向かうのが当たり前」
という気持ちになるまで徹底する。
机に向かって何を学習するかは,家族の話し合いによる。
机に向かってさえいれば,読書でも旅日記でも良いと私は思う。
「机に向かう習慣」が最重要だと,多くの教育者が述べている。
生活を改善する
一年に一度のビッグチャンスであるから,生活も改善させたい。
@ゲームに費やす時間
Aテレビを観る時間
B就寝時刻・起床時刻
C後始末 …
いくつか改善させたいことがあっても,一つだけに絞る。
内容は家族で話し合っておく。
我が家の取り決めである。
友達の家はこの際関係がない。
三年生はお勉強が難しくなるからゲームの時間は三十分以下と決めたとする。
四月一日から「三年生はゲーム三十分以下が当たり前」と,いつも同じ言葉を笑顔でかける。
言葉を変えると効力が減る。
同じ言葉を繰り返す。
三十分を越えたら笑顔で電源を切る。
笑顔でゲームを取上げる。
例外は認めない。
春休みに一年分の漢字を覚える
余裕があれば,予習に取り組む。
漢字がお勧めである。
漢字の習得は,幼児期が最適と,教育学博士の石井勲先生が述べている。
人間の記憶力は,0〜三歳をピークに七〜八歳頃までがもっとも高いといわれる。
頭の柔らかいうちが良いのである。
一年間で学習する漢字は,学習指導要領で決められている。
春休みのうちに前倒しで一年分を覚えてしまえば,進級後に大変な余裕が出来る。
教材は書店に各種並んでいる。
先ず,春休みのうちに全部読めるようにする。
読めることが最重要である。
読めれば,活字をとおして脳にインプットされる情報量が格段に増える。
読書力の基礎が漢字力である。
もし春休みのうちに全部読めるようになったら,漢字を見ながら机の上に指で書けるようにする。
書けるようになったかどうかの確認は,食卓で出来る。
親が「指で書いてごらん」といって書かせれば良い。
数秒で出来る。
指書きが出来るだけでも十分だが,「もっとよくなりたい」と意欲を見せたら,鉛筆で書かせてみる。
もし鉛筆で全部書けるようになったら,ご褒美ものである。
春休みはとくに宿題がない。
何もすることがない。そのわりにけっこう長い。
子供の自転車事故などが多発するのは春休みである。
「よくなりたい」という欲求が表出するこの時季に,漢字を前倒しで一気呵成に学習させたいものである。
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